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​シベリア抑留

​書簡

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(表面

書簡④ 表面

(裏面

書簡④ 裏面
書簡④ 文面

​【現代表記に改めた文面】

一、第八信 拝信。 六月に引揚再開されて、今日か今日かと待っておりますが、将官帰還の報はもたらされず、残念に思っております。帰国の日まで、健康に充分御注意下さって、一日も早く帰って下さい。私、二十五を数え、貿易会社に元気に勤めて居ります。野球が非常に盛んになり、巨人軍が一位です。 豊

一、何日も何日も、お父様の帰国を待っています。お父様のいらっしゃる所も、今は夏で暑い事でしょう。本当に御苦労様ですね。私は 今 工業専門学校で勉強しながら、会社でも働いています。只、お父様の帰還されるのを待つばかりです。 潤

一、私達は お父様の御帰りを唯一の楽しみにして、毎日働いています。どうぞ御体をお大切に。無事に帰って来て下さい。 陽子

一、四、五、六信ともに返事出しましたが、届きませんとは、残念です。家では、皆、一人残らず、大元気。引揚も始まりましたので、一船毎に首を長くして待っています。子供らの為に、すべてをしのんで 帰って来て下さい。皆、それのみを楽しみに、張切って働いております。

夫嵯子と宏は 東京に行っていますので、書けません。夫嵯子は 帰りを待って、小川さんと結婚させます。十一月までには、きっとお帰りになるでしょうから。小川さんは大正海上火災(東京)に勤務しています。 雪子

一、お父様は、毎日さぞ おたいくつな事でしょう。私達はみんな お父様が一日も早く帰られるよう、毎晩のように神様に祈っております。そして、毎日お母様のお手伝いをしています。飯等の支度もしています。くれぐれもお体をたいせつに。 宣子

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